筒井作品を読んでいると、登場人物が話しかけてきた。
「あなた。さっきから筒井作品を読んでるつもりになってますけど、これは夢ですよ」
「あっ。たしかに夢ですね。でも、読むのやめたら眼が醒めてしまいそうです」
「読むだけ疲れますから、いっそ眼が醒めた方がいいのでは」
「でも、起きたらどうせ筒井作品を読まなきゃならないんで、同じことですからこのまま読んでます」
「いやいや。だから、これあなたの創作ですって」
「ファンとしては、ぼくの書いた筒井作品もチェックしておきたいものなんですよ」
「そうですか。言ってる意味がわかりませんが、それならお好きになさい」